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ゲーテとの対話

あまりにも有名な名著で、感想を書くのも烏滸がましいですが
私と本との対話記録と言うことで書かせてもらいます。

このゲーテとの対話は
偉大な人物から考え方や
見方、価値観を
教えてもらうことができる
紛れもない名著です。

著者であるエッカーマンも同様に
能力があったからこそ
ゲーテが紡ぎ出す言葉を
瞬時に理解し記録ができたのだと思います。

プロローグでは
エッカーマンが
ゲーテと出会う迄の事が
つらつらと書かれています。

軍隊を出てから
働きながら学問を学ぶため
大学へ行ったりもしますが
どうも上手くいきません。

エッカーマンは
そこで思い切って
ゲーテの元に飛び込んで行く事を
決断します。

そして、見事にゲーテに認められ
本編へと繋がっていきます。

私はこれを読んでいるときに
最初は日記帳を普通に読んでいる
感覚でしたが読んでいるうちに

いつの間にかエッカーマンの横に居るかの様に錯覚してしまう事がありました。

そして不思議な気持ちになりました。
齢70を超えたゲーテと30代のエッカーマン、そこにいる自分

ゲーテは自分が高齢であることも
エッカーマンに語る意味も
勿論計算しており、多少は芝居じみた
事もあったりしますが

自分がどう世界を見て感じて
いるのかを示してくれました。

それを一つずつ
確実に受け止めるエッカーマン

この関係があってこそ
名著になりえたんだと

私も徐々に世界へ引き込まれて
いきました。

語りあう二人の横で
気がつけば
名言が溢れんばかり次々に飛び出してくるのです。

ゲーテは言います。

そもそも同じ時代の
同じ様な事をやっている人から
学ぶ必要は無いよ。

学ぶなら一にも二にも
古代ギリシア人から学べば良い。
  』


驚嘆する様な物の捉え方で
視点を
高みへと誘います。

語る言葉は、時には厳しく、時には鋭く、変幻自在に繰り出されます。

全てが興味深いのですが、
これほど偉大な人物でも
ニュートン学派の連中を語るときには人間くさい一面を見せたり
或いは、相手を喜ばすため
お茶目な一面もあったりします。

また宰相らしい現実的なものの捉え方や
色彩論での人間そのものの可能性を
追求してみたりと
様々な分野に飽くなき探求心
を持っています。

老齢など全く感じさせません。

本当に読んでいると元気が出てくる
名著ですね。



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